vol.131 十年一昔


今回の食べ歩き
モンマルトルの丘の上
パリ18区Gilles Marchalのマドレーヌ
(食べかけ) 
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カフェを始めて2度目の春から始まった箱根スイーツコレクション。 
どういう形で続いていくのか未知だったスイーツのイベントに、今となっては他に候補があったのかなかったのか、多分なかったような気がするのだけど、私たち箱根写真美術館併設カフェプレジール・ドゥ・ルフは、館長がライフワークで撮り続けている富士山の形に仕上げた焼き菓子を主役にしたデザートで参戦。 
その年の秋、次の春、さらに秋、春、秋、春、秋、、、富士山を焼き続けて気付けば10年目、この秋で20回目、計20種類の富士山を作ったことになるらしい、びっくり。 
富士山ケーキを焼いているのは、"ピラミッド"と呼ばれるシリコン型で、焼き菓子というよりはムース系、特にチョコレートのケーキに使われることの多い型。 
というわけで、10年前は参考にできるルセットも見当たらない中で試作開始。 
同じ焼き菓子でも、フィナンシェやマドレーヌよりも深さがあるので思うように火が入らなかったり、型から出してひっくり返した時に底が平らじゃないといけなかったり。 
試行錯誤の結果、普段私がパウンドケーキを作っている製法(シュガーバッター法)ではなくて、スポンジケーキの製法(ジェノワーズ法)を採用することに。 
これが、温度管理が重要な作り方で、作り慣れていなかった10年前の私には、本当に本当に辛かった(苦笑)。

そんな中、富士山ケーキは今回の20回目を区切りに、ひとまず主役の座から降りることになりました。
  ぼんやりと決まっていたことではあったけれど、淋しいような、いいや、肩の荷が下りた安堵感の方が大きいかも(笑)。 
毎回その時々で最高の富士山を作っている自負はあるけれど、今回の富士山ケーキがいつも以上に納得のいく仕上がりで、ひっそりと達成感を味わわせていただいています。 
とはいうものの、毎年お正月には数量限定でそば粉×栗の甘露煮の富士山ケーキをお出ししているし、今後のスイーツコレクションでも別の形で富士山を登場させられないか考えているところなので、全てが終わってしまうわけではもちろんありません。 
その時々で出会えるケーキたちと、季節感あふれる箱根をお楽しみいただければと思います。 






Information:info@hmop.com/Hakone museum of photography
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