vol.15  牛乳の話

今回の食べ歩き
番外編@手作り牛乳アイス →→






去年の春、過剰になった大量の生乳が廃棄処分された、というニュースを耳にしました。
清涼飲料水や豆乳の普及、そして牛乳=カロリーが高い、というイメージの影響で、日本人の牛乳の消費量は年々減少しているとか。
生乳は長期間保存する事もできないし、加工品をどんどん作るといってもその生産体制を整えるのが大変、じゃぁ生乳の生産をやめる、つまり牛のお乳を搾らない、となると牛が乳腺炎になってしまうので、需要がなくてもどんどん搾らないといけないそうです。
そして、長期計画で生産調整をする酪農家は、生乳が余りそうだからといって急に減産をするわけにもいかず、ついにとうとう大量の生乳が廃棄処分されてしまったとか。
そしてその時、処分するのにも多額の費用がかかるという事、生乳を処分しないため、過剰に生産しないため、つまり、需要のないお乳を搾らないためには、最終的には乳牛を処分してしまわないといけない、そこまで話が及んでいました。
動物好きとしてはいたたまれません。
牛乳をそのまま飲むのが嫌いだった私も、毎朝牛乳を飲む事を決心。




と、牛乳を飲む習慣をさぼりがちになったこの秋、思わぬ事態になりました。
ケーキ作りに不可欠なバターが店頭から消えてしまったのです。
牛乳の消費量減少に伴う減産政策の一環で、バターの原料としての生乳が不足してしまいバターの生産量が減り、私が利用している製菓材料店でも入荷制限があるとかで、欠品したり、入荷しても購入数を制限されたり。
この時期のバター不足は例年の事だそうですが、私が影響を受けたのは今年が初めてです。
大手のパティスリーは必要数を確保できているのでしょうが、個人となるとそうもいかず、バターのストックを確保するために大きなスーパーを何軒も回りました。

酪農家のみなさんも消費拡大のために様々な努力をしているそうですし、今回も色々と検討した結果この事態になってしまったのでしょうが、バターがまた安定して手に入る状況に早く戻る事を祈るばかり。
困って初めてまた牛乳を飲み始める、というのも後ろめたい気もしますが、飲まないよりはましなはず、ホット・ミルクにシナモンを振るのがこの秋冬のマイ・ブーム。
タンパク質やカルシウムもいっぱいの牛乳は、牛のためにも健康のためにもお勧めです。



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