vol.13 有終の美

今回の食べ歩き
パリ8区アンジェリック・チバのヴィニョン →→






有終の美、と評されるほどの瞬間にはなかなか直面し ないと思いますが、やめ時を見極める瞬間、と言うのは誰の人生にでもあるんじゃないかなと思います。
仕事をやめる、学校をやめる、海外生活に終止符を打つ、試験を諦める、パートナーとの関係を解消する、 等々を決断する瞬間。
実は私も9年間続けていた陶芸教室を今月一杯でやめる決心をしました。
母親世代のご婦人と仲良しグループを結成(?)し、お食事会に誘って頂いたり、旅行のお土産を渡し合ったり、珍しいお菓子のお裾分けや自家製のお野菜を頂いたり。
レッスン後には毎回どなたかのお持たせでお茶タイム、おやつって疲れた体に必要ですよね、なんてしみじみ言いながら、色々な会話も楽しませて頂きました。
毎回お相伴に与る癖がついてしまい、恥ずかしながら旅行のお土産以外のお茶菓子を持参した事がありません、今お菓子のお仕事をしているというのに、大いに反省。
先生方にももちろんお世話になりました。
褒めて伸ばして下さる先生、のんびりスタイルが見本になった先生、辞めてしまった先生には陶芸と人生をリンクさせたいいお話をたくさん伺ったし、新しい先生にはあまりご指導頂く機会はありませんでしたが、本格的な設備で丁寧に教えて頂ける贅沢なお教室で、実力がどれほど付いたか・・・はさて置き、陶芸の楽しさは存分に教えて頂きました。
忙しくなり欠席が重なって、大好きな陶芸を後回しにしてしまう自分も嫌だったし、またいつでも再開できるという思いも手伝って、悩んだ末、今回一時退会の決心をしました。
有終の美、とは全く次元の違う話ですが、習い事をやめる、という以上に私にとっては重大事、自分なりにやめ時を見極めての決断です。

自分と同世代が1人もいない空間に飛び込む勇気、今はありませんが、周りの環境なんて気にならない貪欲だった当時の自分を思い出し、気持ちが新たになりました。
何かをやめる事って、実は同時に何かの始まりなのかもしれません。
ずっと続けてきた事、あるいは大好きな事をやめる決断は正直勇気もいるし淋しいものですが、今の自分には必要な選択なんだと言い聞かせ、大好きな和食器と洋菓子の組み合わせ、今後も楽しんでいきたいと思います。







Information:info@hmop.com/Hakone museum of photography
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