vol.11 ブランド力、1年たって思う事

今回の食べ歩き
パリ18区クリニャンクールで食べたガレット →→






最近、母親世代のご婦人から計3回もバッグの発色と質感を褒めて頂きました。
素材を褒められる事ってあまりありませんが、ご婦人の見る目はもちろん、ネームバリューに頼らない老舗ブランドの品質、歴史に裏打ちされた本物のブランド力、簡単に真似できるものではないよな、としみじみ感心してしまいました。
お菓子の世界でもネームバリューの存在は否めません。
それぞれの味や好みとは別に、人気だから、有名だから、という理由で購買意欲はかきたてられるし、並んで買ったお菓子の味って時に格別だったりもします。
噂を頼りにお気に入りのお菓子に出会える事もあるので世間の評判を始めネームバリューの存在もあなどれませんが、情報はおいしいお菓子に出会う要素の一つに過ぎません。
お菓子は目と鼻で楽しんで味わうもの、耳をふさいで自分の舌で判断しなくちゃつまらないし、お菓子が長く愛されるためにはやっぱり味が大切なはずです。








jouir oeufだからおいしい、と言われるほどのネームバリューが存在したらそれはそれですごい事かもしれないけれど、でもやっぱり、ここのケーキおいしいね、ただそんな風に思って頂ける味を提供する事が大切だと感じています。
それを地道に続けたら、ここのケーキはいつもおいしいね、なんていう、笑顔に裏打ちされたjouir oeufとしての本物のブランド力が持てるようになるのではないでしょうか。
jouir oeufはまだまだ生まれたて、歴史は始まったばかりです。
遠藤さんの美術館の傍らで詠子ちゃんが演出する私の大好きな空間を、コンセプトである‘五感の回帰’の五感の一つ、‘味覚’側から楽しんで頂くきっかけになれば、という願いを込めて私はお菓子を作っています。
たまたま来た方、噂を聞いて来た方、気になりつつまだ来ていない方、何度目かの方、お茶はしたけどケーキは食べていない方、近くの常連さん、まだ存在を知らない方、残念ながらピンと来なかった方、、、みなさんがいなければjouir oeufは成り立ちません。
味の好みは千差万別、全ての方に気に入って頂くのは大変な事かもしれませんが、1人でも多くの方がおいいしい笑顔になって下さったらな、と思います。
笑顔に裏打ちされたブランド力、そのうちじわじわ沸いてくるのでしょーか。



Information:info@hmop.com/Hakone museum of photography
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