vol.10 生みの苦労〜紫陽花の季節〜

今回の食べ歩き
パリ2区ストーレーのピュイダムール→→






小学校の頃から作文が大好きで卒業アルバムには将来の夢を‘作詞家’と書いていたし、学生時代は国文学を専攻し、読書は今でも大好きです。
そう、執筆業には憧れますが、こうやって月1回原稿を書いてみて、文章を作る事の難しさを痛感しています。
執筆はもちろん、どの世界にも生みの苦労はあると思いますが、お菓子の世界も例外ではなく、オリジナルのルセット、あるいは満足頂けるメニューを作らなければなりません。
私の場合、jouir oeufらしさをどこかに織り込みながら、日本の四季や年中行事を意識して、我がボス詠子ちゃんと日々メニュー作りに思いを巡らせています。
褒め合って伸びる私たち、話の段階から盛り上がり時々暴走、ふとした拍子に即方向転換、等々一筋縄では進みませんが、味の好みやお菓子に対する姿勢など、大切な部分が似通っているので、一緒に悩む事はあっても、意見が衝突した事は未だありません。
そんな中今月から登場の紫陽花ケーキ、誕生するまでには1年がかかりました。
昨年完成しかけたルセットを今回再度練り直し、満を持してのデビューです。
二人が共通に思い描いた‘紫陽花=紫’を表現するブルーベリーをチョイスして、紫陽花の形からイメージを膨らませ、他のメニューにはない味と食感を・・・という事でレアチーズケーキに辿り着き、それからの道のりがまた長かった事。
私たちがおいしいと感じ自信を持ってお客様に提供できる事はもちろん、目でも紫陽花を感じて頂くべく、何度も試作やデコ会議を繰り返し、味も見た目も満足のいくものに仕上がりました。
この季節、紫陽花を楽しみに箱根にいらしたみなさまの気分を盛り上げるのに一役買えれば、と願っています。




パティスリーでは毎年季節ごとの新作を発表するのが常ですが、私たちの紫陽花ケーキ、今年はもちろん来年の紫陽花シーズンにも登場させられたらな、と思う母心。
紫陽花ケーキで一人でも多くの方が笑顔になって下されば・・・新たなお菓子がひょこっと生 まれてきそうです。



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