vol.2 フランス語、お菓子、そしてパリ

今回の食べ歩きはPARIS9区Pas.Jouffroyで買ったサブレです。→→



パリには学生時代から何度か行った事があって、観光やショッピングにおいしいものもぼちぼち、といった具合に普通に楽しんでいましたが、特に思い入れがあったわけではありません。
ちなみに国文科の学生だった頃の第二外国語はフランス語、ではなく、中国語でした。


が、ある年の秋、
持て余した時間で自分磨きをしてみよう、と思い立ち、イタリア語と迷った末に始めたフランス語。

まともにフランス人と接触すらした事のなかった当時、まずは日本人に習ってみようと、文化センターの‘旅のフランス語’という講座へ通ったのですが、第一回目のレッスンでフランス語を学ぶ目的を聞かれた時、‘パリのパティスリーでフランス語でケーキを買いたいから’、と答えている自分がいました。

私の中のお菓子欲、知らないうちにグローバル化です。


そして講座が終了した春、お世話になった先生の紹介でフランス人の個人レッスンを受け始め、ほどなく初海外一人旅でパリに行き‘フランス語でケーキを買う’という目的を達成、思っている以上に有言実行な自分を実感。
と同時に、パリって素敵かも、と気付いてしまい、その年の秋には子供の頃から好きだったお菓子作りを本場で学ぶためのパリ留学を決意、新年早々に渡仏。

パリでは料理学校の製菓コースに通い春には帰国、の予定が、2週間の約束だったスタージュ(研修)を何度も延長し、帰国したのはすっかり暑くなった、その年の夏でした。
たくさんの事を学んでたくさんの方と出会ったパリ留学からはずいぶん時間がたちましたが、レッスンを受けるため、あるいは友達に会うため、パリへは時々遊びに行っています。

お菓子好きの私がフランス語を始めたことで、パリは私にとって大切な街のひとつとなりました。
帰国後はフランスや食を通して色々なお仕事のお手伝いをしていますが、こうしてジュイルウフでケーキを出しているのも、パリでの出会いがきっかけです。

あの時フランス語を始めていなかったら、
パリに行っていなかったら。

それはそれで違った人生があったかもしれないけれど、やっぱりあの時パリに行ってよかった、と心の底から思う、今日この頃です。



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